ATACカンファレンス2015 京都

augmentative telent & acceptable Community Conference 2015 in kyoto

 

2015年12月18日(金)   Academic Day ◇ 実践研究を通じて,日々の取り組みを考える        受付開始時間9:00

 

  9:30-16:30

Room:C-1

 これまでのATACでは多くの実践や開発が報告されてきました。また,人とつながり出会う中で,施設,学校,企業など多くの現場でも,優れた実践や研究開発,ユニークな取り組みがなされていることを聞きます。それらの活動を,客観的に整理し広く共有していくチカラをつけませんか?それらを議論し,日々の取り組みを考えてみませんか?
  Academic Dayは,既存の古典的な特別支援教育や福祉の研究の枠の中から抜けて,誰もが生き易い社会を構築するための能力観・社会制度などを学術的に議論する日です。福祉や教育という枠組みではなく,以下の3つのカテゴリーで研究発表を募集します。
  一般の学会発表とは違い,自由な雰囲気の中で発表を聞き,その場で専門家のアドバイスや批判を受け,より良い研究を現場の実践家の人たちに学んで頂く場としたいと考えています。歯に衣着せぬコメンテータが研究計画・分析方法・まとめ方などについて鋭くコメントします。発表者はそこで得たコメントをもとに学術論文を執筆し,『Journal of ATAC(仮称)』に論文が掲載されます。聴衆はそのやり取りを介して,日常の実践の振り返りに役立てていただけるでしょう。
 定員に達しましたので,参加受付を終了致しました。

・カテゴリー1 テクノロジーを用いたコミュニケーションに関する実践研究
・カテゴリー2 テクノロジーを用いた教育・生活・就労支援に関する実践研究
・カテゴリー3 技術開発

コメンテータ:
中邑 賢龍(東京大学先端科学技術研究センター 教授)
巖淵 守(東京大学先端科学技術研究センター 准教授)
近藤 武夫(東京大学先端科学技術研究センター 准教授)

発表1   9:45−10:10 

「ICT活用のセカンドステージ 〜読み書き計算に困難を有する中学生の通常学級におけるタブレットPC活用〜」

 平林 ルミ (東京大学先端科学技術研究センター)

学習に困難を有する児童・生徒がタブレットPC等のツールを通常学級に持ち込み,学習している例が増えている。そろそろツールを持ち込む持ち込まないの議論ではなく,基本的な読み書きを補った先にある教科教育におけるツール活用法や,読解や作文といったより高次な読み書きを指導する指導方略が必要である。読み書き計算に困難を有する中学生の通常学級における教科学習にタブレットPCを活用した実践を報告する。

発表2   10:10−10:35 

「英語学習の難しさにつながる認知特性について」

 村田 美和(東京大学先端科学技術研究センター)

英語の学習が苦手であったり,試験の点数が伸びないといった生徒の背景には,英語の読み書き困難が隠れているケースがある。日本語では困難さが現れていなくても,英語で困難さが現れる場合もあるのだが,まだそのような英語の困難さを評価する方法は少ない。本研究では,英語の読み書きに困難さが現れることの認知的な背景について,通常の学級で学習する生徒を対象に検討した。

発表3   10:55−11:20 

「コンピュータビジョンから味覚刺激による表情反応を可視化する」

 武長 龍樹(東京大学先端科学技術研究センター)

訪問教育を活用する8歳の重度・重複障害の女児を対象として味覚刺激と表情反応の関連を検討した。対象児は寝たきり状態で,不快なときに口蓋裂のために露出した舌を尖らせるという逸話があるものの,微細な動きであり目視での確認は困難であった。動きの可視化アプリケーション「OAK」を用いて,無味に比べて甘味ではより舌が動き,酸味では眉間が狭まり顔全体が動くという味覚刺激に対応した表情の変化を確認した。

発表4   11:20−11:45 

「飲み物の選択場面における重度重複障害児の自己決定の保障に関する実態調査」

 谷口 公彦(香川県立高松養護学校)

特別支援学校(肢体不自由)に勤務する重度重複障害児の担任に対し,児童に2つの飲み物のうちどちらの方が好きかを聞き取ってもらった。そのビデオ映像の観察を元に,判断結果や聞き取り手順等が適切かどうか5名の専門家による評価を行った。結果,客観的に見て意思を適切に聞き取れていると評価されたのは20ケース中6ケースにとどまった。状況を改善するための聞き取り手順の見直しに必要な事項について検討と考察を行う。

発表5   11:45−12:10 

「重度重複障害児の運動量の増減に着目した観察結果の傾向  2年間の校内学習会を振り返って」

 佐野 将大(香川県立高松養護学校)

「介入直前と比べて,運動量が増加したか,減少したか」という視点から,重度重複障害児を対象に観察を進めた。2年間の香川県立高松養護学校での任意の学習会で進めた観察事例(26名分,減少事例36,増加事例47)をまとめ,考察を加える。定位や探索,不快と評価されたものに関して特徴が見られたが,現段階では,どのような状況で観察されたかということも評価の決め手になっていることが明らかになった。

発表6   13:10−13:40 

「発達障害のある人におけるインターネット上のコミュニケーションで生じたトラブルに関する事例研究」

 岡 耕平(滋慶医療科学大学院大学)

対面でのコミュニケーションに困難がある発達障害のある人にとって,非対面でコミュニケーションできるインターネットは,支援技術として有効である。一方で,非対面であっても相手とのやり取りが発生する場面において,トラブルに発展する事例も少なくない。本研究では,実際にトラブルに至った事例について,その経緯を分析することで,インターネットでのコミュニケーショントラブルを回避する要件を整理した。

発表7   13:40−14:10 

「認知機能アセスメントツールとしてのデジタルパズルの可能性」

 五藤 博義(レデックス認知研究所)

認知テストの代替ツールとしてデジタルパズル(以下,DP)の可能性を調査している。高齢者対象の先行研究では,DP4種類とMMSEの相関が確認された。そこで2014年7月〜10月,小学3年生108人にDPと,学級の人間関係を調べる質問紙調査Q-Uを実施した。その結果,学習意欲と相関のあるDPが3種類,友達関係と相関のあるDPが3種類,確認された。現在,DPとWISC-4の相関調査に取り組んでおり,途中経過を報告する。

発表8   14:30−15:00 

「タブレット端末の活用により本人の意欲を取り戻せた事例 −高齢者へのICT活用を試みて−」

 中島 まゆみ(伊那中央病院リハビリテーション技術科)

外科手術後の長期臥床により寝たきりの高齢者に対して,生活の質の向上に視点を転換しタブレット端末を活用した活動を通して本人の意欲を引き出す介入を試みた。ICT活用を通して,“何もできない自分”から,一連の作業を通して達成感を得ることができ,“できる自分”を取り戻し,結果的に自立の促進,日常生活動作の改善へとつながった。

発表9   15:00−15:30 

「指導段階に配慮した支援機器を活用したコミュニケーション指導事例」

 関口 あさか(埼玉県立熊谷特別支援学校)

タブレットPCを活用した絵カードコミュニケーションを獲得するための段階的な指導(関口・新谷2015)で得られた表及び発達検査をもとに,対象児童A,Bに指導段階に配慮及び実態に対応したテクノロジーを用いたコミュニケーション手段について検討し指導を行い,学習内容や他の課題における変化を表にまとめた。

発表10   15:45−16:15 

「発達障害児・者の聴覚過敏に関する実態調査」

 大西 俊介(兵庫県立福祉のまちづくり研究所)

発達障害児・者の多くは音に対して過敏であることが知られており,個人では,イヤマフを活用するなどの対応も増えてきた。一方で,公共空間等については,どのように配慮すべきか明らかになっていない。また,そのための大規模な実態調査など行われていない。本研究では,発達障害児・者を育てる保護者や支援者に対してアンケートを行い,嫌いな音の詳細を把握し,音の環境に対する配慮すべきポイントを明らかにした。

まとめ   16:15−16:30 
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 2015年12月19日(土)   Gathering Day ◇ 皆で集まりこれからの社会を議論し,整理する        受付開始時間9:00

 

1 9:30−9:45

Room:Annex

オープニング

「これからの学び方・暮らし方・働き方」

 中邑 賢龍(東京大学先端科学技術研究センター)

変化する時代に向き合いながらの学び・暮らし・働くとは何か? 今年のATACカンファレンスのテーマの意味と今年の見所をお話しします。

2 9:45−17:00

Room:Annex2

展示セッション

 研究・実践ポスター発表   [詳細はこちらから]   

2 9:45−17:00

Room:Annex2

展示セッション

 企業・団体製品展示   [詳細はこちらから]   

2 9:45−17:20

Room:Annex3

相談会

 ATAC講師による相談会

ATAC講師による相談会を行います。日ごろ悩んでいること,疑問に思っていることなど, ゆっくりと直接相談できる時間です。

 

詳細や応募方法は,こちらをご確認ください。

ご相談は先着順で受付中です。

(予定講師)渡辺 崇史(日本福祉大学),河野 俊寛(金沢星稜大学), 青木 高光,井上 賞子,岡 耕平(滋慶医療科学大学院大学 専任講師),谷口 公彦,佐野 将大,巖淵 守,近藤 武夫, 奥山 俊博(東京大学先端科学技術研究センター),平林 ルミ(東京大学先端科学技術研究センター

3 9:45−10:45

Room:Annex

現在に学ぶ 社会を変える挑戦

 

「古典的ICT教育へ新しい風を吹き込む(魔法プロジェクトの挑戦)」

 中邑 賢龍・井上 賞子(島根県松江市立意東小学校)

ICTを教室に導入し効率用学習を推進するのがこれまでの教育工学の主流の考えでした。その中で魔法PJは,子どもの能力そのものをICTで代替し,その苦手を補って学習のスタートラインを揃えようと挑戦を続けています。しかし,未だに代替は安易であると考える先生・親も多く,その歩みはまだのんびりしたものです。何が意識変革の妨げとなっているのか? ここでは実践を通して明らかになってきたことを整理しながら未来の教師のあり方,学び方を議論します。

 

「意思を読みづらい人の意思を読む(OAKプロジェクトの挑戦)」

 巖淵 守(東京大学先端科学技術研究センター)・
 青木 高光(長野県稲荷山養護学校)・佐野 将大(香川県立高松養護学校)

科学技術の進歩は社会問題を解決するだけでなく,新たな社会課題も生み出している。障害の重度化もその1つであり,重度重複障害の子ども達とのコミュニケーションは多くの親・教育・福祉関係者が抱える課題である。しかし,障害が重度になればなるほど彼らはコミュニケーションが困難だととらえられがちで,支援者側の愛や優しさで気持ちを感じれば良いとする風潮もある。テクノロジーを使った遊び道具も利用されているが,彼らの発達段階にマッチしないものも多い。OAKプロジェクトは科学技術が生みだした支援の空白地帯を先端の科学技術で補っていくものである。科学技術の進歩が今後の人々の生活に何をもたらし,それに我々がどのようにアプローチすべきか議論する。

4 11:15−12:15

Room:Annex

現在に学ぶ 社会を変える挑戦

 

「入試や就労のバリアーを解消する(DO-IT Japanの挑戦)」

 近藤 武夫(東京大学先端科学技術研究センター)・小林 春彦(DO-IT Japanスカラー)

人は皆同じスタートラインに立っているという前提で動く社会は,個人が生まれつき有する認知や性格特性によってその後の生活が大きく影響を受ける社会でもある。最初からツールを利用すれば,また,個人の能力に応じて対応出来る制度などを作れば,簡単にそのスタートラインを揃えることが出来るが,それそのものが不公平を生み出すと主張し,認めない人が多い。DO-ITはテクノロジーで個人の能力を補償し入試に挑戦する若者を支援してきたプログラムである。そこで見えてきた社会の能力観を議論する。

 

「学校に馴染めない子ども達の新しい学びのスタイルを築く(異才発掘プロジェクトの挑戦)」

 福本 理恵(東京大学先端科学技術研究センター)・当事者

社会にイノベーションが期待されつつも,イノベーションを起こす人材が育てられているのか? 今の学校や会社がそういったユニークな人を抱え,彼らの能力を引き出して行けるのかを考えるとそれは極めて難しい。 社会が大きく変化してきている中で,求められる人材も多様化するのは当然である。異才発掘プロジェクト(ROCKET)を通じて見えてきた新しい人材養成について議論する。

5 12:15−13:15

Room:Annex

ランチBreak  ポスターセッション・展示

6

13:15−15:30

(途中,15分休憩を含む)

Room:Annex

未来に学ぶ これからの能力とは!?

 

「iPS細胞による網膜再生医療」

 橋 政代(理化学研究所多細胞システム形成研究センター 網膜再生医療研究開発プロジェクト プロジェクトリーダー)

加齢黄斑変性という難治性網膜疾患に対して2014年9月に世界で初めてのiPS細胞を用いた臨床が始まった。対象疾患は加齢黄班変性で網膜色素上皮細胞の老化によって網膜の中心(黄班部)が障害される疾患で,欧米では視覚障害の半分の原因を占める。 我が国でも高齢化に伴って増加しており,将来はさらに増加すると予測される。移植されたシートは様々なテストや免疫不全マウスを用いた造腫瘍性試験で安全性が確かめられているが,臨床研究の主要項目は安全性であったが,2015年9月,1年経過後の安全性が確認された。  再生医療の問題の一つはその言葉からもたらされる過剰な期待である。今回の臨床研究では網膜感度上昇などの効果判定は副次項目であるが,過剰な期待は治癒が唯一の問題解決法であるという思い込みから来ることが多い。特に網膜の場合は成功してもまだまだ視機能は低く停まることが考えられ,再生医療はリハビリテーション(ロービジョンケア)とセットで完成すると言える。  また,日本では薬事法が改訂され,再生医療を推進する新しい章が作られた。再生医療に特化した法律は世界でも例をみないものである。この法律は省庁とアカデミアが協力して作られ,その成功も省庁とアカデミアの協力にかかっている。

 

「サイボーグ化する身体と未来の生活」

 遠藤 謙(ソニーコンピュータサイエンス研究所研究員/株式会社 Xiborg代表取締役社長)

人間の身体にはまだまだ隠された機能があります。それを引き出すことによって人間の生活スタイルは激変する可能性を秘めています。損なわれた機能を補うだけでなく拡張することができれば,障がい者,健常者,高齢者の身体機能の境界線がなくなり,すべての人が分け隔てなく体を動かす喜びを感じることができます。さらには,身体能力の欠如に対するネガティブな考え方も変えることができるのです。その事例として,我々のチームが行っているロボット義足や競技用義足等の紹介を通して,人間の身体能力や人間と社会との関係に起こる変革を紹介いたします。そして,我々が考える将来のパラリンピックの理想像についても紹介します。

7 15:30−16:00

Room:Annex

Coffee Break  ポスターセッション・展示

8 16:00−17:20

Room:Annex

伝統に学ぶ これからの組織やコミュニケーションを考える

 

「だんじり祭りから組織を考える」

 田代 洋章・泉谷 憲正(岸和田 だんじり経験者)

だんじり祭って何だ? 岸和田地区では約300年の歴史があるお祭りで,「だんじり」という山車を曳いて氏神様に五穀豊穣を願い宮入りする神事です。だんじりが町を壊したり,事故を起こしたりという一面がテレビやニュース等で紹介されてから特に注目されるようになりました。子どもからお年寄りまで,毎年とても楽しみにしている地域の一大イベントで,私も幼い頃からだんじりを曳き,50歳を超える今でも関わっています。日本の伝統的な物や行事や習慣が少なくなっていく中で,毎年約50万人もの見物人を集めるほどその人気ぶりは衰えていません。 現在では敬遠されるムラ社会なのになぜ若者が集まってくるのでしょうか? 廃れずに今もなお続けられているのはなぜでしょうか?危険極まりない場面と隣り合わせなのにその形を変えないのはなぜでしょうか? フラットでセーフティーな組織や環境を目指す世の流れとは対局にあるように見える祭礼を中心とした町の組織の一例を紹介します。

 

「芸人の世界の強制と自由」

 福岡 亮治(大阪成蹊大学)

私はエデュテイメントを実践しています。「エデュテイメント(edutainment)」とは「教育education)」と「娯楽(entertainment)」を合わせた造語です。高校生であった私は、「エデュテイメント」という言葉を知りませんでしたが芸人さんのスキルを身につければ最良の教師になれるのではないかと考え、教育学部に進学し、大学在学中に芸人の世界に飛び込みました。 本講演では、そこで見た芸人の世界にある組織のルールとコミュニケーションの方法についてお話します。また、芸人時代に学んだスキルがその後の職業や家庭でどのように生かせたのかを @小学校教師×笑い A科学館職員×笑い B育児×笑い @〜B項目に分けて触れていきます。さらに近況報告としてその実践を生かすべく、 C大学教員×笑い として、現在、授業づくりに関わっている芸人が授業を行う「笑育」(小学校等の学校現場で松竹芸能の所属の若手漫才師が授業を行う取組)についてもお話します。

9 17:30−18:30

Room:Annex

対話を楽しむ

 

 「イブニングセッション」 <事前登録制> 

会場内で,簡単な軽食と飲み物(アルコールは有料)を用意したイブニングセッションを開催します。Gathering Dayの締めくくりとして,今年は参加者の方々に無料で自由な時間を過ごしていただけるように企画しております。是非,様々な方とのゆっくりとした語らいをお楽しみください。定員がありますので事前に申し込みが必要です。イブニングセッションへの参加費は無料ですが,19日にご参加いただいている方限定とさせていただきます。

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 2015年12月20日(日)   Practical Day ◇ 実用的知識や考えを身につける       受付開始時間9:00

 

1

9:30-12:00

 

モーニング

セッション


1セッション半日(午前)のセミナーとなります。

Room:510

一日通しセミナーコース 1  [コミュニケーション]

「AAC(障害のある人とのコミュニケーション技法)入門」 【事前登録制】 

重度の知的障害や自閉症の人とのコミュニケーションにおいて,きっかけさえつかめずに困っている人もいると思います。絵カードを試してもそれを上手く使えない人もいます。また,中軽度の知的障害のある人とのコミュニケーションも,成立しているように見えても細かな部分を伝えられないといった場合もあります。ここではそういった人たちとのコミュニケーションの技法を,分かりやすく実例と演習を交えながらお話しします。テクノロジーに自信のない人もご参加ください。

講師:

中邑 賢龍(東京大学先端科学技術研究センター 教授)

 障害のある人のコミュニケーション技術について幅広く研究している。

青木 高光(長野県稲荷山養護学校 教諭/ドロップレット・プロジェクト)

 シンボルコミュニケーションアプリ「DropTalk」の開発者でシンボルを使ったコミュニケーション実践でも我が国をリードしている。

Room:509

一日通しセミナーコース 2  [不登校の子どもの学び] 

「不登校の子どもの学びのあり方 」 【事前登録制】

様々な理由で学習機会を失っている子ども達がいます。しかし決してネガティブにばかりとらえることはありません。考え方,アイデア次第で学習の機会は作ることができ,広げ深めることも可能です。ユニークな学校や学校以外で学びを楽しんできた当事者に実体験を語ってもらいながら,異才発掘プロジェクトROCKETでも実践している学びの本質をお伝えします。子ども達を潰さない教育を一緒に考えましょう。

講師:

福本 理恵(東京大学先端科学技術研究センター 学術支援専門職員)

 異才発掘プロジェクトROCKETのプロジェクトリーダーとして,料理や農作業といったリアルなアクティビティから学ぶことを軸としたカリキュラム開発に携わり,新たな学び方と働き方を提供している。

藤井 良彦(東京大学先端科学技術研究センター 特任研究員)

 中学校に1日も通わずに独学で学んだ体験を生かしながら,現在は東京大学先端科学技術研究センターで不登校の調査に携わる。「独学の「不登校」:哲学者の学校拒否論 先端研から」の著者でもある。

富樫 多紀(東京大学先端科学技術研究センター 学術支援専門職員)

 世界で一番自由な学校として知られるイギリスの「サマーヒル・スクール」へ12歳で単身留学。ユニークな教育経験を経て,現在は異才発掘プロジェクトROCKETで外部講師のコーディネートを担当している。

Room:555

一日通しセミナーコース 3  [働く] 

「働き方に困難さを感じているあなたに必要な10のヒント」 【事前登録制】

自分のできる働き方と,職場で求められる働き方,そこにズレが生じるがために苦しんでいる方はいませんか?またその原因を,能力が劣るからだとか,努力が足りないからだと言われることはありませんか?ここでは,今までの常識を少し離れてみましょう。挨拶が苦手な人は会釈だけで,あるいはメールで済ませることのどこに問題があるのでしょうか?フルタイムで働けなくても年金や生活保護と組み合わせて自分のペースで短時間働いて幸せに暮らす人もいます。様々な人と研究室で一緒に働いてきた実体験や事例を紹介しながら新しい働き方を提案していきます。

講師:
近藤 武夫(東京大学先端科学技術研究センター 准教授)

 DO-IT Japanという障害学生をICTで支援するプログラムを中心的に進め,入試の配慮の合理性を研究している。また,研究室において,多くの障害や困難を抱える人と働きながら就労の配慮の合理性についても研究を進めている。

Room:101

一日通しセミナーコース 4  [医療・制度] 

「医療とタブレット 見えにくさを感じる人」 【事前登録制】

眼科医なのに,一切手術をしない,何も薬を処方しない。そんな一見風変わりに思える講師が,なぜそのような方法を選択してきたのか。そこには,多くの見えにくさを感じる人との関わりから得た,今本当に必要なものへの気づきがあります。このセミナーでは,見えにくさを感じる人との様々な実践を踏まえつつ,タブレットを使って快適に生活することや働くために便利な情報をお伝えします。具体的なアプリや使用例,アイデアをたくさん紹介し,すぐに使える方法を分かりやすくお話しします。

講師:
三宅 琢(株式会社 Studio Gift Hands 代表取締役/産業医)

 ICTを患者に紹介しながら診察・治療を行う眼科医。産業医でもあり,様々な会社でアドバイスを行っている。

Room:554

一日通しセミナーコース 5  [医療・制度] 

「教師や親に必要な福祉制度」 【事前登録制】

みなさん福祉制度をどの位ご存知でしょうか?使える福祉制度を知っていると,生活で困る様々なケースに合わせて,上手に利用できる可能性があります。行き詰っている生活や,無理をしてきた生活から一歩踏み出す機会になるかもしれません。学校を出て働けない人はどうすればいいのか? 自宅からしか通学や通勤の方法がないと諦めている人はどのような制度が利用できるのか? 毎日8時間働くことができない人は就職ができないのだろうか? 障害年金だけで生活をすることはできるのだろうか? 様々な困ったケースで利用できる制度について,事例をふんだんに使って分かりやすくお伝えします。

講師:

奥山 俊博(東京大学先端科学技術研究センター 学術支援専門職員)

 これまでの歴史も踏まえた福祉制度に精通しており,相談者に合わせて制度の紹介や活用方法などを提案してきた。また,車椅子ユーザーとして20年以上福祉機器をウォッチし続けている。

Room:104

一日通しセミナーコース 6  [学習困難] 

「学習困難な子どもの支援」 【事前登録制】  定員に達しましたので,受付を終了しました 

覚えられるからとメモを取らない。書くことを面倒くさがる。忘れ物が多い。そんなちょっとした子どものシグナルには,その背景に認知的特性がある可能性があります。その場合,苦手なことは繰り返しの練習によって大きく改善するものではありません。ましてやる気がない訳でもありません。ここでは,学習に困難を抱える子ども達を理解するための,日常生活の行動を観察するポイントや,客観的な評価の方法をお伝えします。子どもを理解し,適する支援へとつなげるために,読み書きだけでなく幅広く認知特性についても説明しながら,分かりやすく説明します。

講師:

河野 俊寛(金沢星稜大学人間科学部 教授/言語聴覚士)

子どもの書きのプロセスを長年にわたって研究し,読み書き困難を理解するためのURAWSS(ウラウス)という評価を開発した我が国の書字障害研究の第一人者。

Room:501

一日通しセミナーコース 7  [学習困難] 

「肢体不自由とパソコン・タブレット・スマホ」 【事前登録制】

インクルージョンの推進は重要ですが,肢体不自由のある人が通常学級や一般企業で働くことは,時として彼らに大きな負荷をもたらすことがあります。無理をして体調を崩すことも少なくはありません。それが,進学や一般就労の足かせになることもあります。無理せず長くその場で学んで働くために上手にテクノロジーを活用するためにはどのような方法があるのでしょうか。ちょっとした工夫や知識で,上手にテクノロジーを活用して生活をする方法があります。ここでは身近にあるテクノロジーの中から,役立つものを厳選してご紹介していきます。

講師:

渡辺 崇史(日本福祉大学 教授)

 リハビリテーション・エンジニアでありながら常に現場を離れない実践的研究者。

  12:10−12:25

Room:104

企業製品紹介セミナー

ハイブリット・キッズ・アカデミー

 株式会社 エデュアス

読み書き等学ぶ上でのこどもたち困りをテクノロジーで支援する方法があります。
楽しい活動から主体的に学ぶ意欲を向上させ,必要な技能を身に着け磨くことのできる場所です。

  12:10−12:25

Room:510

企業製品紹介セミナー

Beaconを利用した事故防止システム

 株式会社 ナスカ

プライバシーに十分配慮した捜索システムの概要と,有事に備えた活力のある地域づくりへの提案。

  12:15−12:30

Room:555

企業製品紹介セミナー

障害者と共に働く職場づくり〜合理的配慮への対応〜

 株式会社 富士通ラーニングメディア

展示コンテンツのご紹介,デモンストレーション

  12:15−12:30

Room:501

企業製品紹介セミナー

上肢がうまく使えなくてタブレットやパソコン操作に困っている方へ

 テクノツール 株式会社

上肢の動きに課題があって,うまくタブレットやパソコンが操作できない人,食事動作が困難な人に向けて,新しいアームサポート「MOMO」を紹介します。 併せて,Mac,Windows,Android,iOSで利用できるワイヤレススイッチインターフェイス「なんでもワイヤレス」も紹介いたします(Macのスイッチコントロールにおけるカスタムパネルもお見せいたします)。

  12:25−12:40

Room:104

企業製品紹介セミナー

すべての子どもたちに読書の楽しみを

 公益財団法人伊藤忠記念財団

マルチメディアDAISYは,数ある電子図書規格の中でも,最も読みに障害のある方への配慮がなされていると言われています。しかし,まだ認知度が低く,必要とする子どもたちの手元に十分に届いてはおりません。本セミナーでは,参加者の皆様にわいわい文庫を実際にご覧頂くとともに,基本的な操作を学ぶ場とします。読めずに困っている子どもたちが,読み通した喜びや自信を身につける可能性がある本文庫を,ぜひご体験ください。

  12:25−12:40

Room:510

企業製品紹介セミナー

障害児童生徒向け防災教育用アプリ「スキナのセレク島」シリーズ

 女子美術大学 「パステルハート・プロジェクト」

自閉症などの発達障害や知的障害のある児童生徒を対象とし,学校や家庭,地域で活用できる防災教育用ツール,ならびに災害時に保護者,支援者らとのコミュニケーションをサポートするツールとして3種類のiPadアプリ開発を行った。 (1) いざ!にそなえる学習ツール「まるばつクイズメーカー」(2) 気持ちを安定させるための「バウンドボックス」(3) コミュニケーションサポートツール「すききらいカメラ」 の機能と有効性についてご評価頂く。

  12:40−12:55

Room:104

企業製品紹介セミナー

″読みやすい 使いやすい″iPad用DAISY再生アプリ「いーリーダー」

 シナノケンシ 株式会社

「いーリーダー」は読みに困難のある子供への合理的配慮としてマルチメディアDAISY/EPUB3をiPadで再生するアプリです。「ピッタリ改行」や「フリガナ表示の1タップ切り替え」など読みやすい機能,画面表示や再生速度などを個々の好みに合わせやすい「簡単設定アシスタント」や他のアプリを使わずネットワーク上の図書を入手する「直接ダウンロード」など使いやすい機能で,印刷された文字を読むことが難しい子供に″読める″を提供します。

2

13:00-15:30

 

アフタヌーン

セッション


1セッション半日(午後)のセミナーとなります


Room:510

一日通しセミナーコース 8  [コミュニケーション]

「重度重複障害のコミュニケーション」 【事前登録制】  

重度重複障害のある人の意思は,どのように読み取ればよいのだろうか。また,こちらの表現はどうやって相手に伝わったと知ることができるのだろうか。日々多くの子ども達に関わり実践を試行錯誤している教師と,そこに先端技術を導入したり,活動を客観的に評価しようと努める研究者がコラボをし,分かりやすく実践的な方法をお伝えします。

講師:
谷口 公彦(香川県立高松養護学校 教諭)・佐野 将大(香川県立高松養護学校 教諭)

 共に,日々重度重複障害のある子ども達と関わり,実践を続けている特別支援学校教員。

武長 龍樹(東京大学先端科学技術研究センター 特任研究員)

 行動を科学する心理学者。重度重複障害の子どものコミュニケーションの研究に取り組んでいる。

Room:509

一日通しセミナーコース 9  [不登校の子どもの学び]

「学習意欲を失った子どもの教科書としての家事・関わりのポイント」 【事前登録制】

教科書を使って学ぶ。そんな常識に捕らわれていませんか?様々な理由から学習意欲を失った子ども達にこそ,教科書ではなく自ら体と心を働かせてリアルな実体験からの学びこそが大きな意味を持ちます。日常の家事の中に,ちょっとドアを開けた先の身近な自然の中に,そしておいしいと笑みがこぼれてしまう食事の中に,学びの入口が満ち溢れています。そして,それらを教科へつなげていく。実学を教科書にするために試行錯誤を繰り返してきた講師から,教科書ではない学びの方法をお伝えします。

また,様々な特性を持つ生徒や特殊な家庭環境を持つ生徒達,彼らを取り巻く教師や親と一緒に,困難の本質を理解し相談の実践を重ねてきた講師から,学校でのリアルな取り組みとポイントをお伝えします。

講師:

福本 理恵(東京大学先端科学技術研究センター 学術支援専門職員)

 異才発掘プロジェクトROCKETのプロジェクトリーダーとして,料理や農作業といったリアルなアクティビティから学ぶことを軸としたカリキュラム開発に携わり,新たな学び方と働き方を提供している。

岡 耕平(滋慶医療科学大学院大学 専任講師)

 心理学をベースに学習や生活に困難を抱えた人の学びや雇用の研究を実施。理論だけでなく,実践的な研究を行っている。現在は,高等学校普通科の生徒や教師に対して学習支援や相談を行うために定期的に学校訪問も行っている。

Room:555

一日通しセミナーコース 10  [働く]

「障害のある人を雇用するための10のポイント 〜多様な人の組織をマネージメントする〜」 【事前登録制】

障害のある人の雇用が義務づけられていますが,社会的貢献という視点だけでは,雇用者も働く人もストレスがかかっていきます。
実際,障害者雇用枠で入社した人の定着率は高くありません。働き方,勤務時間,業務内容も他の社員と同様にという視点から障害者雇用を続けるのは無理があるような気がします。ここでは,障害者雇用をネガティブにとらえるのではなく,会社を活性化しイノベーションを生み出して行く可能性のあるポジティブなものとしてとらえます。そのためのマネージメントを中心に新しい時代の障害者雇用について,実践事例を交えながら解説していきます。

講師:
近藤 武夫(東京大学先端科学技術研究センター 准教授)

中邑 賢龍(東京大学先端科学技術研究センター 教授)

Room:554

一日通しセミナーコース 11  [医療・制度]

「教師や親に必要な薬の知識」 【事前登録制】

目の前にいる子どもに本当に薬が必要なのだろうか? 薬によって子どもの本来の力,活力,思考力を失ってしまうのではないか? そもそもこの子らしさを無くすのではないか? そう悩みながらも処方されたままに薬を飲み続けていませんか? または,全く飲まずに大変な思いをしてはいませんか? ここでは,精神科医が多くのケースを紹介しながら,知っておきたい薬の知識や,薬を検討する際のドクターとの付き合い方などについて分かりやすくお伝えします。

講師:
小澤 いぶき(東京大学先端科学技術研究センター 特任研究員)

 いじめや教育にも関心を持ち,引きこもった若者たちの支援にも積極的に関わる精神科医。困難を抱える子どもの心理的ケアや相談にも多く関わっている。

Room:104

一日通しセミナーコース 12  [学習困難]

「教え方が上手な先生達の極意」  【定員制】  定員に達しましたので,受付を終了しました  

学習障害の疑いがあればすぐに読み上げソフト,ワープロ,電卓を使えばよいのでしょうか? 実は障害と言うレベルではなく,勘違いや学び方を気づいていないなど小さなひっかかりが大きなつまずきを生んでいる子どもがいます。まずはこのひっかかりを分析し,指導を行なうことで,つまずきをクリアする子どももいます。ここでは多様な子ども達の事例を紹介しながら,テクノロジーの活用前に試してみるべきことや,ちょっとした教え方の工夫・視点によって子どものひっかかりを解消する方法をお伝えします。実際の教材やアプリもご紹介いたします。

講師:

井上 賞子(松江市立意東小学校 教諭)

 iPadを使った発達障害児支援では我が国をリードする。タブレットに拘ることなく様々な方法で子どもの能力を引き出す実践にはいつも驚かされる。

Room:501

一日通しセミナーコース 13  [学習困難]

「障害のある子どもが入試で配慮を受けるために」 【事前登録制】

2016年4月より障害差別解消法が施行され,合理的配慮の提供が義務付けられます。障害のある人が頑張るだけでなく,配慮することに合理性があればそれを認めていこうという考え方です。しかし,制度だけがひとり歩きしても意味がありません。自分に適する配慮を知り,まずはそれを日常生活や学習環境で試みることも大切です。ここでは,これまで学習に困難のある子ども達が入試で合理的配慮を受けてきた事例をご紹介していきます。彼らが,毎日の生活の中で具体的にどのような学びをしているのかを紹介し,配慮を受けるために大切な考え方をお話しします。

講師:

平林 ルミ(東京大学先端科学技術研究センター 助教)

 言語聴覚士・臨床発達心理士である立場から様々な学習に遅れのある子ども達のテクノロジー活用に関する相談に応じている。

Room:101

一日通しセミナーコース 14  [学習困難]

「身の回りにあるテクノロジー(アルテク)を用いた福祉・特別支援教育アプリの開発(技術者向け)」 【事前登録制】

スマホやタブレットなど身の回りにあるテクノロジー(アルテク)を活用することで支援技術の開発コストと時間は大幅に減らすことができます。そのような方向性での技術開発が今後ますます盛んになると思いますが,そこで生まれた製品がユーザーに受け入れられ,広く使われるとは限りません。当事者と支援技術と開発者だけでなく,流行やインフラの整備など社会の変化も取り組んだ技術開発・利用のビジョンを示す必要があると思います。ここでは,製品開発の事例を紹介しながら,その試行錯誤の過程やポイントをお伝えし,今後の方向性を整理していきたいと思います。

 

本セッションには,次の企業製品紹介セミナーが一部含まれます。

「クラウドを使った学習や就労に役立つ最新技術」

日本マイクロソフト株式会社

画像認識や音声認識の技術は,クラウドベースとなり進化が加速し,より手軽に利用できるようになってきています。それらの技術を使った HoloLens,Windows Hello,Cortana,Office Lens や,ucode を使った位置情報サービスについてご紹介します。また,Sway や OneNote などでのクラウドを使った事例についても,ご紹介します。

講師:

巖淵 守(東京大学先端科学技術研究センター 准教授)

 アルテクベースに支援技術を開発するエンジニア。海外の動向にも詳しい。

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